石狩太美から望来の崖の上を走る

札幌から石狩川以北を目指す場合、どの橋を渡るのかが迷いどころです。最も亘りやすいのは札幌大橋でしょう。今回もこのルートをとることにしました。

福移小中学校

福移小中学校

当日は仕事があったので職場まで出かけて、昼少し前に出発しました。まず丘珠線を北上します。普通なら中沼の横に出ずに、あいの里方面に左折するところですが、この日は気まぐれを起こして中沼北側の道を走ってみました。ここは意外と車が少なくて良いコースでした。やがて三角点通りに合流して左折し道なりに進んでゆきます。途中で「福移小中学校」の看板が右に見えました。田舎なら珍しくもないのですが大都市の札幌市立で小中学校というのは珍しいです。どんな学校だろうと思い右折して寄り道です。屋上に天文台のある立派な校舎でした。校庭には山羊か何かを飼っているような厩舎もあってうらやましい限りです。

学校を過ぎると程なく石狩川の堤防に突き当たり、堤防の上の道を走ります。初めは簡易舗装ですが途中から砂利道になります。MTBなので構わず進みます。当然ながら車はゼロです。前方には石狩川の鉄橋が見えてきて雄大な石狩川の景色が望めます。石狩川を吹き上ってくる風が強いです。

石狩川堤防を行く

石狩川堤防を行く

本庄睦男文学碑

本庄睦男文学碑

鉄橋下をくぐり札幌大橋に出ます。川上側には歩道があるのでここを走った方が無難です。橋を渡るとすぐ右に本庄睦男の文学碑が見えてきます。ここには汚いですがトイレもあります。渡ってすぐの信号を渡って左に入ると石狩太美となり、遥かに右手にはロイズの工場が見えますのでいつものように寄り道してソフトクリームをなめることとしました。この日は天気は良いのですが風が強く、往きは終始向かい風で消耗しました。

やさいの岡

やさいの岡 春の野菜が売られてました

太美駅横を抜けてわずかな市街を北の丘を目指して進みます。丘の上にはスウェーデンヒルズと名付けられた北欧風の瀟洒な住宅が並ぶ宅地が広がっています。頂上付近にはゴルフ場もあります。ゴルフ場入り口を過ぎて丘を登ってゆくと左手に野菜の直売所が見えてきました。春浅いこの時期に野菜なんてあるのかと思って覗いてみましたが、ハウスものらしいアスパラやサラダ用の葉物が売られていてつい買ってしまいました。

ここから丘を下ってゆきます。少し行くと右に広域農道が分岐しますのでこちらへ右折します。この後は道なりにまっすぐ進んでゆくこととなります。途中一度低くなって川を渡るのは高岡地区です。湿地では水芭蕉が花盛りでした。ここからもう一度登りに耐えると左手に国道が見えてきて望来はすぐそこです。

高岡の水芭蕉

高岡の水芭蕉群落

望海

味の望海

望来で何か食べようと思っていたのですが、いざ市街地に入ってみると食堂らしきものは中々見つかりません。セイコーマートが一軒ありますが、ここまで着てコンビニ弁当も寂しいなと思って辺りを見回しますと、民宿兼食堂の「味の望海」という店ののれんが揺れていました。いかにも田舎の食堂といった感じの素朴な店です。ここで焼き魚定食を頼みました。内容は、まあ特筆するほどではないです。でも量は多いので走る身にはありがたいです。またここのすぐ近くには捨て犬を保護して里親を探している「わんわん救助隊」という団体が犬たちを連れてきて里親さがしをしていました。その犬を見ようと集まってきた人たちの車で賑わっていて軽い渋滞が起こるほどの盛況でした。

望来絵画館

望来絵画館

聚富の廃屋

聚富の廃屋には水仙が

望来からは国道を離れて崖の上の道に入りました。この一体は別荘団地となっていて傾斜地に面白い建物が多数建てられております。登ってすぐの高台には「リップル」というピザハウスなどもあって中々賑やかです。強い風が吹き抜けてゆきます。崖の上からの眺めは流石に素晴らしく、春の光に輝く日本海が遥か先まで遮るものなく望まれます。今回はここで面白いものを見つけました。「望来絵画館」というのですが、札幌の北海道画廊のご主人が、ほとんど趣味でやっている美術館兼画廊の様な建物です。申し訳ばかりの入館料を払うのですが、ここの二階からの眺めはまた一段と素晴らしい。絵を見る、というより海を眺めに行くのがよろしいでしょう。ご主人曰く、ガラス窓から眺める日本海は一服の絵のよう、とのこと。確かにその通りです。売りに出したらかなりの値段が付くであろう美術品である砂沢ビッキのベンチに座って日本海を眺める贅沢はここだけのものです。秘密にしておきたい穴場です。

絵画館を後にして崖を下ると海岸の静かな舗装路を進んでゆきます。この辺りは聚富(シップと読む)という地区で昔の住宅の廃墟が沢山あります。この時期の民家跡の廃屋には必ずと言って良いほど水仙が咲いていて見事です。簡易舗装で車はたまに通る程度、快適な道です。石狩川に突き当たる辺りまで来ると砂利道になるので左折して国道に出て石狩河口橋を渡りました。あとは札幌中心街まで戻るだけになります。私が選んだルートは花川北から屯田に抜け、発寒川に沿って南下するものです。これは意外に車が少なくて快適でした。

mouraimapmourai