投稿者「ezounagiinu」のアーカイブ

然別湖と糠平湖 山湖を巡る十勝の旅

山深い高原の湖である然別湖、その名も「源泉」を冠した糠平源泉郷のある糠平湖、そして十勝平野のまっすぐな道。この三点セットを味わえるはずの道が今回の100km弱のコースです。

当日は札幌を早朝に発ったのですが、流石に十勝は遠い。出発地点の瓜幕道の駅に着いたのは殆ど9時でした。ここの道の駅は、近隣の豪華版に比べると可愛い作りなのですが、本格的な馬場が併設されていて乗馬競技も出来る様になっています。そういえばこの辺りは乗馬が盛んで、道路に馬横断注意の珍しい標識が見られます。普通に馬に乗って道を歩いているのは他でははあまり見られません。さていつもの様に自転車を組み、雨の備えや修理セットやらを積み込むとロードバイクとはいえ結構な重さです。毎度の事ですがこのコースもまともな補給地点は上士幌まではなしと言って良いです。然別湖の湖畔と糠平源泉郷には土産物店や自販機が若干あるという程度です。おまけに然別湖付近は一部を除き携帯圏外ですので一人で走る私の様な者は万全の装備必携というわけです。

瓜幕からわずかに北へ進むと道は右へカーブします。髙橋はるみ知事揮毫の石碑があります。ここを左折して連絡路に入ると程なく道々593号に行き当たります。ここを右折して然別へと進みます。左右には自衛隊の演習地が拡がり時々遠くで大砲の音が響きます。やがて道が二股に分かれます。直進する細めの道は菅野温泉へと続きます。右が然別湖への道。じわじわと高度が上がり始めるのが分かります。やがて川から離れると本格的な山登りとなり、ひたすら我慢が続きます。途中扇が原展望台では先ほど抜けてきた自衛隊の演習地が眼下に広がり、大砲の発射と着弾が見えることがあります。発射の煙、着弾の粉塵、いずれも見えてから音がするまでしばらくの間があります。大砲の弾が音より早いことが実感できる貴重な場所です。大砲に狙われたら発射音が聞こえる前に自分に当たっていると言うことですね。恐ろしいことです。ここを過ぎると傾斜は緩くなり山肌を巻く様に続いて白樺峠に至ります。峠には目立つ看板はなく、バス停の表示でその名前がかろうじて確認できます。

峠からは一気の下りとなります。道は細めで少し荒れた感じもしますが、交通量が少ないし快適な下りが楽しめます。駒止湖が右にチラリと見えたりします。ナキウサギの写真を狙っている人もいます。やがて然別湖が姿を現します。「山の寂しい湖に、、、」という歌が思い出される神秘感が漂います。

程なく湖畔の温泉街が現れます。現在稼働中の温泉宿は一件のみ。最も大きかったホテル福原は営業譲渡して休館中のままでした。ここに来て風がやたらと強いことに気付きました。サイクルラックに引っかけた自転車が大きく揺れています。大して用もないので早々に先を急ぎます。湖畔の曲がりくねった道は更に交通量少なく路面もまずまず。道は狭いですが快適。然別湖の野営場を過ぎるとヤンベツ川沿いに若干上り基調となります。やがて右に山田温泉の建物が見えてきます。かつてはホテル福原が運営していたこともあったのですが、そのホテル本体がなくなってしまいました。ここしばらくは夏も開けていない様子で段々と廃屋化して来ているのが気になる所です。温泉は素晴らしいのですから何とか再開してほしいものです。この後も暫くヤンベツ川沿いを登り、最後の幌鹿橋を渡るといよいよ尾根にとりつきます。幌鹿峠の始まりです。何度かカーブを切りつつ高度を稼ぐと幌鹿峠に至ります。こちらは木の看板がしっかりとあります。幌鹿峠の下りは典型的なワインディングロードとなっていて楽しめます。糠平源泉郷ギリギリまで傾斜地が続き、止まれ看板ギリギリまで急勾配でブレーキ目一杯でやっと停車する感じでした。

糠平源泉郷は数軒の温泉宿があり、食堂やカフェもほんの少しありますが、コンビニなどはナシです。市街地の中心部が芝生の公園になっていて無料の足湯もあります。今回行ったときには何と公園のど真ん中で鹿が芝草を食べており近づいても逃げませんでした。公園内には「コヤカフェ」というコーヒースタンドの様な、文字通りの小屋があり、「鹿さんブレンド」というのがありましたから、あるいはこの鹿にちなんだものか。となりには「熊さんブレンド」というのもありました。もしかして熊も来るのか?

糠平湖はダム湖ですので湖としての風情は今一つです。この先は暫く下り基調の道が続きます。あまり快適ではないトンネルをいくつか抜けると音更川に沿って下って行きます。音更川の急流が削り出した渓谷が美しい。やがて平野に出ると、先ほどからの強い風をもろに横から受ける形となりました。何処までもまっすぐな十勝の道です。同じ方向からの風を浴び続けハンドルがふらつきます。この間商店など何もなし。自販機が出てくるのは上士幌の少し手前、萩ヶ岡という場所まできてやっとです。ここの商店の陰で飲み物を飲んで一休み。程なく上士幌です。上士幌はそれなりの町で、ここから国道241号が足寄方面から合流してくると交通量は一気に上がります。おまけに大型トラックが随分と多い。そのためトラックが横を通ると吸い込まれる様な横風に翻弄されます。更に悪いことに、路面の轍が深い。うっかり轍にタイヤを取られると転倒してしまいます。加えてこの日は強い横風を喰らいました。路側帯も広いとはとても言えません。不快この上なし。ようやく着いた上士幌の道の駅は大変立派でした。フードコートが凄いです。新形コロナの影響で皆マスクしてますが、フードコートではそうは行かず、混み合った道の駅内は一寸嫌な感じ。早々にここを後にしました。

次の町である士幌まではわずか7kmとすぐに着いてしまいます。ただし先ほどからの嫌らしい道はそのまま続きますから、やはり不快この上なし。こちらの道の駅「ピア21しほろ」も申し分ない立派さでした。こちらは物産コーナーが凄い。やはり人も多くやばい感じは同様。早々に退散です。

ここで右折すれば、最後の直線となります。18km程度ですから軽いか、と思っていましたが、どっこいそうは行かなかった。改めて確認すると結構上っています。風も真正面に受ける形となってしまいました。漕いでも漕いでも前に進まない。山登りの後なので疲労もじわじわと効いてきました。夕陽が日高山脈に落ちて行くのを正面に見ながら気ばかりが焦りましたが、それでも何とか明るい内にスタート地点にたどり着くことが出来ました。

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ニセコパノラマラインを行く

ニセコパノラマラインというのがどの辺りをさすのか、今一つはっきりしませんが、道々66号岩内洞爺湖線のニセコ周辺部分をさすのがまあ一般的でしょうか。あるいはこれに途中から合流する道々343号を継ぎ足せば、まさにニセコ・羊蹄山のパノラマを眺めながらの道行きです。ニセコの定番コースであるこのコース、自転車で走るのも素晴らしいですが全行程を走り切るにはかなりの登りに耐える覚悟がいります。今回は小沢駅をスタート地点として、岩内の手前から道々66号に乗り、神仙沼を越え、チセヌプリの肩を越えて湯本温泉へ一旦下り、そこから五色温泉へ登りなおして俱知安へ抜ける周回ルーとを回って見ました。一部を除くと意外と車が少なく快適に走れます。

当日は良い天気で風は都合良く変化して終始追い風気味という絶好のコンディションでした。かつて岩内線が分岐していた交通の要衝であった関係で、小沢駅の駅前はかなり広い空き地になっております。ここの隅に車を停めます。本来の計画ではここから少しワイスの方向に進んで道々606号老古美小沢停車場線をたどろうと思ってましたが、同行者がコンビニがないルートは不安というので国道276号を宿内まで進み左折して道々606号に出る方法を採りました。

国道は路面も良く追い風に乗って好調に進みました。軽い登りも何のその。程なく宿内交差へ。ここからは交通量はゼロ。畑の中の緩い登りが心地よい。道々606はアップダウンが結構ある道ですが、目指す道々66号までの距離はたいしたことなく程なくT字路が現れました。交差点にはかなり広い駐車公園ありトイレも完備。休むには申し分なし。新形コロナで飲食禁止の看板あり。といっても誰も居ない広場ですからその恐れもないでしょう。花見の季節にでも人が集まるのでしょうか。一休みしてトイレを使います。

ここからがパノラマラインの始まりです。じりじりと登りが始まります。暫くは横に水が湧く音が響き爽やかな林の風が心地よい。やがて水脈を離れて尾根道となり道がジグザグを切る様になると登りは更に厳しくなりますが、今度は眼前に岩内岳、雷電山、目国内といった山々が屏風の様に連なって目を楽しませてくれます。ジグザグが終わる頃に新見峠への分岐が現れ、道は神仙沼へ向かって斜面を横切る様に続きます。

神仙沼駐車場は流石にかなりの車が来ていました。特にバイクの連中が大勢集まり賑やか。人混みをさけてカロリー補給。ここからチセヌプリの肩を越えるのですが左にはニトヌプリの大湿地が拡がる中を進みます。だらだらとした登りに一寸疲れを覚えた頃に最高点を超えると、一気に湯本温泉へと落ちて行きます。湯本の手前で五色温泉への分岐が出ますから左折。再び登りです。途中に休憩できる駐車帯あり。やがて右にアンヌプリが見えると最後の覆道が現れ五色温泉はもうすぐです。ここから最高点まではもう少し辛抱です。火山性の地質に湿原が拡がる峠付近はお花畑となって和みます。

この先花園までは一気の下り。衝突に中止しながら軽快に下ります。俱知安は近隣一の町でここで昼飯としました。ここもコロナの影響でインバウンド景気は吹っ飛んでしまい国内の観光客も激減し一時の勢いがありません。入った寿司店の天丼の盛りが素晴らしかった。でも客がいない。カウンターにはビニール張りで座れない。全く気の毒でした。

俱知安からは素直に国道5号をたどって小沢に戻りました。途中の俱知安峠は峠とは名ばかりのあっさりした登りです。あとは小沢まで程よい下りが続き気分良く走りきることが出来ました。

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黒松内・月越原野をこえて

黒松内から直接島牧方面へ向かう道は、普段はあまり利用することがありませんでした。島牧へ釣りにでも出かける人は海岸沿いを走りますし、黒松内まで来てその後は長万部側に抜ける場合が多いものです。今回初めてここを走って見ました。それなりの山越えで、峠と呼んで差し支えない登りでした。月越原野と呼ぶのだそうですが、月越峠といってもいいかも。月を越える峠なんて素敵な名前ではないですか。

未知のルートなので前日から近隣で寝て早朝のスタートとしました。黒松内道の駅が起点です。早朝は曇り。気温は結構低く肌寒いほど。今年はコロナウィルスの影響あって、ここの雰囲気も暗いです。それでもキャンピングカーと思しき車が十台くらいは停まってました。ベンチにはお決まりの「今は距離を取って」の張り紙がベタベタと貼られてます。自転車を組んでスタート。

まずは国道5号線を長万部方向に暫く進みます。当日は国道の整備がいまいちで路面は荒れてました。婆沢(ばばさわ)という凄い名前の場所で右折して道々266号に入り黒松内市街を目指します。程なく現れるミネラルウォーターの取水地が右に見えます。ここでは時間限定ですが水が汲めるらしい。この道は朱太川本流に沿って進む気持のいい道で、川を渡る毎に細かいアップダウンがあります。ガソリンスタンドのある場所で黒松内市街に入ります。当日は市街地を見たかったのでそのまま直進して駅横を通りました。黒松内駅前の猫屋敷には、やはり居ましたね。市街の外れに変形三叉路があって、いよいよ道々523号美川黒松内線、月越原野越えの始まりとなります。

いきなり登りです。黒松内西側の台地上に道が続いていきます。中学校を過ぎて更に進むと右には三角屋根の建物。地元の物産を加工する場所らしいです。道は一旦下り、中ノ川地区で川を渡ると、いよいよ本格的な登りとなります。途中でゲートが出ると人家は途切れます。周りは手つかずの森。狩場山からつながる山塊だけに熊の気配濃厚か、と思ったのですが、それほどでもなかったです。だらだらとした登りは結構こたえます。やがて地名表示が中ノ川から月越に変わる辺りから視界がひらけて右手はるかに日本海が望める様になりました。道は、ともかく素晴らしいです。路面は良く交通量も非常に少ない。堂々と真ん中を走っても問題なし、といった感じ。頂上付近になるとウインドミルが並び、恐らく携帯用と思しき電波塔が立っております。風よけのシェルターを抜けると本格的下りとなり、日本海に向かってまっしぐらに下りて行きます。実に爽快です。

本目の手前で海が目の前となりポンと国道229号に出ます。右折して弁慶岬を越えて行きます。歌島には巨大な電波塔が新設されてました。この少し後の富浦が最高点で、あとは弁慶岬以降下り基調のアップダウンとなります。弁慶岬の休憩所はコロナ対策が然程厳しくなく休憩小屋で休むことが出来ました。段々と晴れて気持ちの良い日になってきました。岬から下りきると寿都町に入ります。丘の上のバイパスは避けて市街地を走って見ました。この町もコロナ対策で商店はあまりやっていません。流石に道の駅は開いてました。焼きガキを焼くテントなんか出てましたけど活気は今一つですね。何も買わずに先を目指します。

寿都から先は海のすぐそばを走る平坦な道です。本来の国道は大きく朱太川上流まで迂回するのですが、今回は最も河口に近い橋を渡ってみることにしました。左側が朱太川ですが、注意して見ていると小さな橋が見えてきます。栄橋といって車では渡れないような細い橋ですが、川面がすぐ近くに見えて気持ちよい。渡ると砂利道になります。これを詰めるのは止めた方が良いです。角のあるバラスが敷かれていてロードのタイヤだと程なくパンクします。そこで渡ってすぐに川沿いの護岸の上を走る細いアスファルト道路を川に沿って上流へと進みます。ここは非常に良い雰囲気です。たまに釣り人と思しき人の車が通る以外は鳥達のさえずりしか聞こえず川の流れは穏やかで美しい。対岸には国道が走っているわけですが、それを感じさせる様なものは遥かに見える電柱のみ。何もありませんがここで一休みするのは悪くないです。暫く進むと湯の浜大橋が見えてしっかりした道路にぶつかります。これは国道ではなく一本海側の道になります。交通量はほぼなしで路面は荒れていません。これを左に取って道なりに進めば、やがて海岸のキャンプ場へ出る道などが枝分かれし、大型ウンドミルの下を通って国道に合流します。交通量は一気に普通レベル、道も当然多少荒れてきます。

海に沿って平坦な道を進みます。風は強いです。何しろ風が売り物の町ですから。日中は海風となり朱太川の方向に吹くことが多いので向かい風になります。これが結構足に来ます。まずは江差追分にも歌われる歌棄、次いで有戸、種前、美谷、横間、鮫取澗、島古丹、能津登と進んでようやく尻別川河口到着。この間に水産会社直営の飲食施設がいくつかあります。今回は尻別川右岸の道々229号を進むことにしていたので橋を渡って道の駅「シェルプラザ」を覗きました。丁度11時を回った頃でしたが空いてました。これより先にまともな補給地点はありませんから、何か食べるならここです。ドライブインみなとという食堂もあります。

ここからは尻別川に沿って吹く海風を背に受けて道々229号快調にたどって行きます。交通量は対岸の267号より相当少ないです。予定では名駒の橋を渡るので河口から10km位になります。途中でコックリ湖への分岐が出ますが無視して直進します。御成地区で一つ目の橋が現れますが、こちらには曲がらずに直進。次の黒松内への分岐が目指す名駒の宝橋になります。「フィッシュ&名駒」という郷土館の様な科学館の様な施設を過ぎると左岸の道と交差し、更に直進して目名方面道々752号へと上って行きます。交差点付近に商店と自販機あり。飲み物補給はここが最後です。(目名駅近辺には自販機がある模様)

ここからは基本的に直進あるのみ。蘭越道の駅こちらと表記されている目名への分岐が途中で出て本来の道々はこちらなのですが、目名駅を見たいのでなければ無視して直進した方が近いです。徐々に高度が上がって行くので疲れた足にはこたえます。やがて貝川という地区に入りますと公民館あり日陰を作ってくれて少しだけ休めますが、自販機などは一切ありません。鉄道の下をくぐって国道5号との合流は間近です。合流してから目名峠の最後の登りに耐えると、後はスタート地点まで一気の下りで終わりとなります。

総距離は100km強といった感じです。

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平取・義経伝説の里を巡る

北海道の峠の名前は単純なものが多いです。多くは峠を挟む両側の地名の頭文字を取ったもの(石北峠、釧北峠など)。他にはどちらかの地名を取ったもの(北見峠、足寄峠など)。あるいはその一帯の山や集落の呼称によるもの(ホロホロ峠など)。希にその付近の地主の名前を使ったもの(小林峠など)等です。今回のコースには「義経峠」という珍しい名前の峠があります。源義経は、実は奥州平泉では死なずに北海道に逃れ、やがて大陸に渡りチンギスハーンになった、という義経伝説があり、北海道西側には義経や弁慶の名前の付いた場所が確かに多いのですが、今回の平取にもそれがあって義経神社という神社まであるのです。そこからこの名前になったものです。今回この峠を中に入れた90km程のコースを考えてみました。

客車利用の振内ライダーハウス

今回のスタート地点はアイヌ文化の発信拠点の一つである平取です。アイヌ民族初の国会議員となった、故萱野茂氏の出身地です。コロナ自粛の道央道は空いていて日高道を順調に進んで富川で下りると平取はもうすぐです。まずは駐車場探しから。平取市街を過ぎて二風谷ダム近くに「交通公園」という駐車公園がありましたので今回はここに停車。その先の二風谷ダムの駐車場も広くて良いです。

まずは国道237を北上します。かつては十勝地方に抜けるには内陸の滝川、富良野から狩勝峠を越えるか、あるいは太平洋側からこの道を使って、日高町、日勝峠をたどるかのいずれかが一般的で、まさに交通の要衝でした。今は樹海ロードや道東道が出来たので寂れた感じがしますが、それでも交通量はそれなりです。二風谷の集落はまずまず大きく、商店もあるのですが、ここを抜けると暫く補給は困難です。途中で脇道の町道に迷い込んだりしましたが、結局は荷負(ニオイと読む)まで国道の大型トラックに我慢です。

荷負で道々71号に入ると交通量は激減。平坦な道を気持ちよく流して行きます。貫気別の分岐付近は小集落で自販機が一台だけあります。ここから左折して道々797号に入り振内までの山登りになります。ほぼ車無しの静かな道。割と明るい道ではありますが熊でも出そうな雰囲気です。登り切って気持ちよく下ると振内の赤い橋を渡って鉄道記念館前に出ます。農協のショップがあり、鉄道記念館付近にはベンチなどもあって一息付けます。ここはかつての富内線の振内駅があった所で、機関車が置かれていて古い客車は夏場のライダーハウスになってます。シャワーもあるらしい。ただ今年はコロナのせいで営業できるのか心配です。

振内から2kmほどは、もう一回国道を走らねばなりません。やがて右に「幌尻岳」の標識が出ます。ここを右折して道々638号、桂峠への道に入って行きます。通行する車はこの時期だとまずありません。夏場の登山客の多い頃ならいくらかは通るのか。それでも恐らく少ないでしょう。

道路脇の湧き水

桂峠は沙流川から額平川流域への出尾根の乗り越しですので高さは310mと大したことはないです。右はアプローチにあった「不老の冷泉」です。湧水量は少ないですが、味はまずまずでした。桂峠付近は道が少し狭まりますが路面は簡易アスファルト舗装されていて、ロードでの走行でも全く問題ないです。当日は峠直前の100mだけが未舗装で工事中した。ちなみに携帯は圏外です。

一気に下りきると、日高の盟主、幌尻岳の登山基地である豊糠集落です。学校跡が登山客用の宿泊施設になってます。夏はここから幌尻岳登山口までシャトルバスが出るらしいです。小集落で自販機などは一切ないです。以後下り基調の道が額平川沿いに続いて行きます。平取ダムを造る関係で道は新しく付け替えられており、曲がりくねった細道だった旧道は通行止になってました。新しい道は路面も荒れておらず走りやすいです。この時期はスズランの大集落が観光の目玉なのですが、今年はコロナの関係でそこへの立ち入りも禁止となってしまい、案内看板もありませんでした。芽生(メムと読む)付近から農場が散在します。芽生の神社横は、学校跡と思われ、恐らく校庭であったと思しき場所に東屋が残されていました。ここで一休みし携帯の電波を確認できました。

横は廃校跡地

この神社から数百メートル進んだ所で左折する町道が、尾根向こうの旭地区への近道になります。一寸した山登りになります。下りきると曲がり角に民家があり道々71号に戻ってきました。乗り越えた先の旭地区は農家が散在するのみの寂しい場所ですが、交通量はやはりほぼゼロで走る分には快適です。貫気別川にそった緩い登りが続きます。傾斜はたいしたことないですが、だらだら登りは一寸こたえました。おまけにこの日は向かい風が強めに吹いていました。明瞭とは言えない峠を越えると、思っていたよりしっかりとした下りとなり、三和(ミワと読む)まで一気に下って行きます。正和との分岐が三和分岐点というバス停跡になっていて、バス停小屋で一休み。この辺りのバスは既に廃線となっているようですが、地元の温泉施設までの送迎バスが停まるらしくそのために利用されているらしいです。ただバス停小屋は清掃された形跡がなく、これから先は荒れるに任せるのかも知れません。

バス小屋は汚れていた

さてここから道々80号を使って広富へ、そして最後の義経峠を越えて行くこととなります。車は若干通りますが、都会人の目からするとほぼゼロと言って良い程度。まずは門別川流域への乗り越しをします。2km程の登り道に耐えると気持のよい下り基調の道となり、広富まで一気に進めます。広富はそれなりに農家があるのですが商店はありません。ゲートのある平取への分岐点で最後の休憩をし、いよいよ義経峠です。といっても標高は131mですから登りはたかが知れております。面白い名前の峠なのに標識もなし。もう少し宣伝してもいいのでは。後は一気に下って小平に出ると、最後の国道に出て終わりです。

本当に日高の道は気持ちよい所が多いです。ただし交通量が少ない代償として、アクシデントが起こっても自力で何とかしなくてはいけません。民家もわずかに点在する感じですから当てになりません。桂峠付近は携帯も通じません。振内通過以降は最終盤に国道に戻るまで補給は全く出来ません。熊の気配は道北や狩場近辺に比べると然程は感じませんでしたが、こちらも油断は出来ません。私はマスタードスプレーを腰に縛って走りました。またこの辺はキジが多いのでしょうか。この日だけで三度出会いました。最後の一羽は駐車公園に戻ってきてふと横を見ると相手と目があってしまいました。

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羆の王国、三毛別を回る

史上最悪と言われる羆事件とされる三毛別羆害事件は、大正4年12月に苫前村で起きました。死亡者7名を出したこの事件は、吉村昭の小説にもなりました。今回は新装なった道の駅「小平ニシン番屋」を起点に、大平、達布、古丹別と周回するルートを走ってみました。

日本海の竜巻
日本海の竜巻

前日は近辺のキャンプ場で夜を明かす計画でした。小平のキャンプ場を目指したのですが、どうも様子が変。道は空いているのですが車が一台も下りてこない。上るのもいない。はて、と登り切るとゲートが閉まっていて、8月一杯で閉鎖とのこと。随分と早い閉園です。まだ9月ですから十分キャンプはできるはずなのですが。がっかりして留萌まで戻り、定宿の黄金岬にテントを張りました。真夏なら学生のキャンパーのテントが並ぶのですが、昨今は中高年の一人旅が多いらしい。皆さん車で寝泊まりです。テントは私一人。同じ中高年のよしみで話しなどして、セイコーマートの100円お惣菜で一杯やってシュラフにくるまりました。
夜中に雨が降ったようでした。翌日は水平線に竜巻が何本も立っています。珍しい光景に皆さんカメラを向けていました。この様子だと今日の天気は不安定か。不安になります。テントをたてみ、昨日たどった道をもう一度小平まで戻ると案の定土砂降りの雨となりました。小平市街のコンビニで暫く雨宿りしていると段々と小降りに。ママよ、と店を出て小平ニシン番屋に車を停めて自転車を組みました。プラティパスのウオーターバッグに水を入れ忘れたことに気付き、お掃除の叔母さんにトイレの水は飲めるのかと尋ねると、「飲めるよ」とのお返事。信じてこれを詰めました。

ニシン番屋からはオロロンラインを戻ります。鬼鹿の海岸です。左には天売、焼尻の両島が遥かに望めます。先ほどの雨が水たまりを作る中を小平蕊川までもどり、川に沿って左折します。道々126号です。交通量は一気に減少。殆ど車は通らない道。路面も荒れていません。段々と水たまりも乾いてきて快適に距離を稼いでいきます。
民家は所々あるのですが、商店や自販機は一切ありません。水が補給できる様な公園も見当たりません。ひたすら畑の拡がる中を走ります。川沿いはそれなりに開けているので、問題の羆の気配はあまり感じません。

さてようやく集落らしきものが見えてきてT字路になります。達布の集落です。ここにはガソリンスタンドが一軒あり、また商店も一軒あって自販機が一台。ここを越えると当分補給はできません。また携帯も圏外になりますから身内に連絡を入れましょう。いよいよ羆の核心部に突入です。

登り道に掛かります。小平ダムへの登りです。ダム湖は静かで眺めが良いです。特にダム湖を横切る長い橋の上から望む景色は一見の価値あり。橋を渡った所に駐車公園があって休めますが、東屋以外の施設はありません。
道々126号は幌加内へつなぐハズだったのですが、現在は途中で行き止まりです。道は左折して道々742号に入り、いよいよ霧平峠です。羆の気配が段々と感じられる様になってきます。爆竹一発目が谷にこだまします。
兎も角交通量が少ない。民家もほとんどないのです。携帯はずっと圏外。パンクしても故障しても助けは呼べません。ひたすら孤独な旅が続きます。
霧平峠はお決まりのトンネルで通過。下ると霧立峠から来る国道239号の霧立国道に入ります。

この霧立国道というのも交通量は非常に少ないです。従って相当に快適な道です。ただこの日は時間が経つにつれて海からの風が強くなり、下り基調の道なのにあまり速度を稼ぐことができませんでした。古丹別川上流部は民家も殆どなく、やはり羆の気配は感じられる所です。爆竹も何発目かが快音を上げて炸裂します。

古丹別は、このルート唯一のまともな市街地です。商店や食堂もあります。三毛別羆害事件のあった場所はここの十字路を左折して山奥に入った所らしいのですが、本日は目的ではないので直進です。苫前町の町標である可愛い羆の親子の図柄が出迎えてくれます。
古丹別市街から海岸までの数キロが、今回は一番長く感じられました。段々と日本海の風が強くなり、海岸の風車郡が元気に回っています。
左折してオロロンラインに戻ってきました。後は小平ニシン番屋に戻るだけです。風が横風に変わりました。速度が上がります。車の量は当然ながらぐっと増えますが、そこは北海道の田舎道、快適なレベル以上に混むことはないです。やがて道の駅の標識が見えてきてゴールが近いことを教えてくれるでしょう。
小平ニシン番屋は軽食もとれてお土産も豊富ですよ。

ホロホロ峠から美笛峠へ

苫小牧、白老地区は札幌から近くアプローチが容易です。秋以降は天候が比較的安定するのも嬉しい所。以前今回と逆回りで周回したことがありますが(2019年8月17日)、今回はホロホロ峠を登って美笛に抜け、樽前の裾を下る逆ルートをたどってみました。

当日は石狩、後志方面は雨ではっきりしない天候でした。急遽太平洋側を走ることに変更。苫小牧西インターまで高速で入り、どこかに車を停めようと物色していると、インターから出て国道の手前道々784号を白老側に曲がって駒澤大の手前に北星公園という公園がありました。ここの駐車場に車を止めました。

出発して程なく錦大沼との分岐のT字路となり、左折して線路を渡り車の多い国道36号をたどります。海岸の道は所々路肩に砂がたまっていて気をつけて走ります。程なく白老市街への分岐を右にたどり市街へと入って行きます。白老は新しく建設中の「民族共生象徴空間ウポポイ」で盛り上がってます。駅の手前で右折して線路を渡ると建設中の国立博物館が目に飛び込んできます。流石にデカい。今までのアイヌ古潭とは別格のサイズです。白老駅のトイレに寄って先を急ぎます。

ホロケナシ駐車公園トイレ

ホロケナシ駐車公園トイレ

程なく大滝へ右折の標識が出ますから、白老川沿いの道々86号に入ります。じわじわと上り基調の道を行きます。路面は荒れておらず、車も時々通る程度で快適。沿道は酪農農家が点在するといった道です。御料地橋で白老川を渡ると森野地区です。北海道一雨の多い土地ですが、何故かこの日は晴れのうちに通過できました。ホロケナシ駐車公園があり、トイレと自販機があります。

ホロホロ峠手前の見事な滝です

見事な滝です

この先は三階滝まで補給は全くなし。白老川を更に二回渡ると、いよいよホロホロ峠の登りに掛かります。鹿が驚いて逃げて行きます。野性味あふれる道です。最後は素晴らしい桟道の連続となって眺めが素晴らしい。左にはホロホロ山から落ちてくる滝が何本か望めます。最後は高原状となった峠を越えますが、峠自体は覆道でカバーされていて眺望は望めませんので手前の四季彩駐車場が休憩場所となります。

ホロホロ湧水

軟水です

今回はここで心配していた雨が降り出し、峠の下りは遂に一時本降りになりました。しかし幸いこの日の雨はこれまで。三階滝を過ぎる頃には再び晴れとなり、長流川を渡って国道453に出て右折です。上り基調ですが追い風に助けられて快適に進みます。途中の三叉路は広島峠からの道で右折です。これより道々276号となります。程なく道の駅フォーレスト大滝が見えてくる、はずでしたが何故か道の駅の看板がいつまでたっても出ない。普通は2km手前に予告看板が出るはずです。と思っていたら「きのこ王国」の大看板が見えてきました。これはおかしい、道の駅はきのこ王国のとなりのハズ。さて?

きのこ天丼

きのこ天ぷら大盛!

着いてみるときのこ王国は車で賑わってましたが、隣のフォーレスト大滝のログハウス前は車無し。これは一体?どうやら休業中の様子です。後で調べると、老朽化により建て替え予定との告示が出てます。立派なログハウス風の建物で老朽化するほど古かったか一寸疑問ですが、真相はどうなのでしょうか。フォーレストのピザパイが目当てだったのですがあてがはずれて、きのこ王国の食堂でキノコづくしの食事を摂って出発となりました。ここにはホロホロ山の湧き水が自由に汲める場所もあります。軟水の美味しい水です。

この先の美笛峠の登りは実にあっけなし。あれあれという間にトンネルとなって終わりです。支笏湖への下りは快適そのものですが、この道、結構大型車が多いのです。トレーラーに抜かれるのは一寸おっかない。太平洋側から千歳への近道なのですね。良い道ではあるのですが車にはご注意を。

支笏湖岸は、対岸の支笏湖温泉のほうはフラットですが、こちら側は湖岸が切り立っている場所があるため高巻く所が何カ所かあって、思ったよりアップダウンがあります。眺望もあまり望めず気分的にはあまりよろしくナシ。道はまあまあ良いのですが、この日は舗装の補修のためにアスファルト表面が削り取られた状態の場所が頻繁に現れ、ロードバイクには一寸不快でした。

ゴミを捨てないでの看板

切実な訴えがシミルゥ

モーラップキャンプ場を過ぎると道はグンと上って樽前錦岡線(道々141号)分岐となります。右折して最後の登りです。ゴミを捨てるなと言う主旨の素敵な看板が目にとまります。樽前の裾野を横切る様に上って行くと、やがて樽前登山口にいたり、ここが本日の登りの終点となります。後は道なりに心地よい下りをたどって、朝おりた苫小牧西インターをかすめて出発点に戻ります。

距離は丁度100kmで、一日の楽しみにはぴったりでしょう。

日高峠から赤岩青巖峡へ

福山トイレ存続の危機?

福山トイレ存続の危機?

夕張から日高町を経て十勝清水に至る道は、樹海ロードと呼ばれる山道です。主に鵡川と沙流川の上流域をつなぎながら進み、特に穂別の稲里から日高町までの鵡川の上流部では、尾根を越えながら支流を渡って道がつけられているので、下ったと思うとすぐに登りになるという、自転車にとっては過酷な道で、日勝峠とならんでまさにこの道の核心部でしょう。およそ40年前に初めてこの道を越えたときにはまだ猛烈な砂利道で、対向車が飛ばした石でフロントグラスを割られた苦い経験があります。今回この核心部の端に当たる部分からスタートして、日高町、占冠町と周回する短いルートをたどってみました。

今はなき樹海園跡地

今はなき樹海園跡地

当日は早朝に札幌を出て高速でむかわ穂別インターまで。ここから国道274までは穂別ダム湖の横を暫く走らねばならず、夕張インターで降りた場合と比べてあまり得した感じはしません。まあ穂別ダム湖の眺めを楽しんだ分良いか。今回の出発点はここからずっと日高寄りなので、まずは合流点を左折し国道274を進みます。長大な稲里トンネルをぬけて下ると福山地区で鵡川本流を渡ります。民家はほぼなし。かつて旦那の経営するガソリンスタンド横で元気のいいおばちゃんがやっていた樹海園というラーメン屋があったのですが、今はここも廃墟となっていて向かい側の廃校跡の駐車帯にトイレがあるだけ。そのトイレもどうやら存続が危ういようです。水は出るようですが飲み物などはなし。福山大橋を渡ると登りとなり、モツト、福山、穂高の連続トンネルを過ぎて下りきった所が名石駐車場となります。今回はここが出発点。結構広いですがトイレも含めて何もありません。あるのは日高の名石がゴロゴロ置いてあるだけ。ゴミも多い。もう少し整備したら名石も生きるだろうに残念。ここで自転車を組み出発です。

朝の日高道の駅

朝の日高道の駅

ニセイパオマナイ川を渡るとすぐに登りです。ここでアクシデント発生。後輪が変な音を立てていると思ったら見事なパンクです。チューブを交換。春はやはりガラスなどが多いのでよくパンクします。予備チューブは二本は持った方が無難です。この登りは大したことはなく、一旦下って支流を越えると日高トンネルを経て、一気に日高町へと下って行きます。今回進む予定の国道237号は交差点を左折ですが、まずは直進して久々の道の駅を見ます。ここは確か世界のタバコを置いている不思議な店があったはずなのですが、残念ながら時間が早くて拝むことはできませんでした。本日は時間がたっぷりあるのでしばしセイコーマートのコーヒーを楽しんで山の空気を満喫です。幸い天気は良く、駐車場は熟年ライダーの巣になっておりました。
いつまでものんびりしたかったですが、そろそろ出発。日高峠の登りです。先ほどの交差点まで戻り右折すると登りが始まります。左に針葉樹林帯、右は切り通しの土手が続く道は程よい登りが続き、比較的快適。それほど苦労せずに日高峠を越えます。ここから占冠への下りは美しい道でした。特に双珠別付近は緑と花のあるのどかな場所で、快適な下り基調も手伝って疲れを忘れさせてくれます。占冠インター入り口を過ぎると程なく占冠道の駅の交差点が見えてきます。

しむかっぴーのお菓子

お菓子もあります

本日二度目の休憩。休んでばかりです。ここもライダーの巣状態。道の駅はそろそろ開いてました。ここの観光案内で道々610号占冠穂別線の福山側の情報を聞いてみました。やはり結果はがっかり、という物。朝の出発時点で確認した福山のゲートからニニウにむかう部分は今後も開通する見込みがないとの事。途中の路肩が崩れているらしい。といっても完全に崩落しているわけでもないでしょうから、まあ徒歩か自転車ででも探検してみるのは良いかも知れない。ちなみに赤岩青巖峡側からニニウまでの道は途中のゲートまで入れるはずです。しむかっぴーというキャラクター商品あり。ここでは鹿肉そぼろのお握りというのを発見。いつか食べてみたい。この他飲食店がいくつかやってました。

しむかっぴーテーマソング

テーマソングもあります

この先は道々136号を進みます。この道こそ永遠の開かずの道々「夕張新得線」の一部になります。赤岩トンネルを経て赤岩青巖峡までやや下り基調。赤岩橋を渡ると右に岩場がありロッククライミングを楽しむ若者が集まってます。ここからは道々610となり、ニセイパオマナイ川に沿っての上り基調の道が名石駐車場まで続きます。左手に見えるニセイパオマナイ川は岩がゴロゴロとした流れ。開放感のある道です。
30kmちょっとの軽いコースでした。

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留寿都経由の羊蹄山周回

京極側からの羊蹄山の眺め

もうすぐ秋の羊蹄山

羊蹄山は蝦夷冨士とも呼ばれる北海道を代表する名峰です。独立峰であるこの山は最短40kmちょっとで周りを一周することが可能ですが、近年のニセコ人気でいずれの道も交通量は多く、自転車で走るのはちょっと不快です。今回何とかこれを回避して周回的ないかと考え、留寿都側に少し遠回りをするコースを考えてみました。
当日は秋晴れの素晴らしい一日でした。札幌を早朝に出発し中山峠を経て京極道の駅を起点にしました。ここはふきだし公園として有名で、北海道一の湧き水があります。早朝の駐車場は流石に空いてましたが既に水くみの人がおりました。車は山側の、湧水に近い駐車場に停めます。道の駅側は日中になると混み合うので、なるべくこちらを使うべきでしょう。湧水の湧き出し口も近いですし。ボトルに名水を詰めて出発します。

赤い靴のモデルとなった女の子の像

赤い靴のモデルとなった女の子の像

駐車場からは少しの間羊蹄山にそって真狩側へ進みます。少しの登りがありますが、晴れていれば右には羊蹄山が間近に迫って見えます。適当な道を左に下ると一本下の平坦な道にでますのでこれを右にとって喜茂別の方向へ進みます。やがて真狩と喜茂別の近道に行き当たりますのでこれを左にとれば、羊蹄小学校跡地を左にみて尻別国道276号の信号機はすぐです。これを右にとって尻別国道を喜茂別側に進みます。ほんの少し走ると山陰に道々257号が分岐します。これを見落とさないで下さい。山陰に標識もなく分岐するので思わず通り過ぎます。
この道は尻別岳やルスツリゾートのある橇負山の裏を回るのですが殆ど通る車はありません。道は留寿都の高原へと上って行きます。登り切って少し下ったところでT字路になり、左が留寿都です。両側にジャガイモの種苗生産センターが拡がります。シスト線虫予防のため立ち入り禁止が厳重ですから絶対に入らないこと。ゆるい登りの後一気に下ると道々66号とのT字路になり、右はユリ畑の中を真狩へと進む道になります。今回は左折してすぐに国道230号にぶつかります。右折して次の信号の交差点が「赤い靴公園」で、童謡赤い靴のモデルとなったお話しにちなんだ銅像が建っております。トイレあり水も出ますので休憩するのが良いでしょう。

途中で農道が右に分岐します

途中で農道が右に分岐します

この先ですが、まともに国道を進むと交通量が多くて不快です。これを避けるため回り道に道々560号を使いました。赤い靴公園から一本洞爺寄りの信号機(歩行者用の横断信号は除く)を左折です。道は一気にポンヌッキベツ川へと下り、今度は一気に対岸を上ります。貫気別という川は台地状の地形を流れているので地図ではあまり感じませんが、実際に近づくと意外に深い谷を作っております。恐らくこれは流れている台地の地質に依るものなのでしょう。専門ではないので全くの想像ですが浸食されやすい柔らかな地質の上を流れているのではないかと思います。登り切ったところで農道が右に分岐します。(写真参照)今回はこれを使って五ノ原へ入って行きます。再びポンヌッキベツ川を渡ると、急な坂を一気に上って再び国道と交差。そのまま渡って農道を進みます。この辺を五ノ原と呼ぶようですが、畑の中の一本道でとても美しい。車はほぼゼロ。北海道を体感できる道です。やがて十字路となりますが、直進します。道々230号です。交通量はやはり極めて少ないまま。農業用のトラックがたまに通るくらいでしょう。酪農や畑作の農家が点在する中を御保内(オホナイ)集落まで進みます。今回初めて知ったのですが、ここにはへき地保育園というものがあります。ちょっと名前に違和感を覚えましたが、厚労省の制度にある正式な名称なのですね。間もなくT字路となります。道々97号です。真狩方面は右折。左は豊浦へと続きます。交通量は少し増えますが、まだ大したことはなし。平坦な道が登りに掛かる前に桜川への道が左に分岐します。今回はある目的もあって直進しましたが、これを左にとるのも車が少なくてよいコースです。いずれも路面は良いです。坂を登り切ると一気の下りで真狩市街に至ります。道の駅は右折して300m程。さらにこのまままっすぐ進んで真狩川を渡ると、羊蹄山を一周する道々97号に突き当たります。左折して一般的な羊蹄周回ルートに乗ります。
交通量は一気に増えます。今までとは全く別次元です。観光シーズンとなると次々と車が流れてくる感じ。

直系30cm位の厚めのピザです

直系30cm位の厚めのピザです

羊蹄の湧き水とカフェ

羊蹄の湧き水が流れている

秋田犬ですが大人しくて可愛い!

秋田犬ですが大人しくて可愛い!

今回の目的の一つが、真狩の湧き水付近のカフェ探訪なので仕方がありません。この辺には人気の蕎麦店や可愛いカフェなどがいくつかあります。程なく目的のカフェ到着。犬、ネコ、山羊、馬、動物が沢山いる面白い所です。蛇口からあふれる羊蹄の湧き水も嬉しいところ。今回はピザをいただきましたが、近頃流行の薄いヤツではないガッツリ系で野菜たっぷり。距離を走る身としてエネルギー源には嬉しいところでした。今回はここの他にロバのいるカフェなどもあります。更に先ほどの桜川の方から裏道をたどれば、有島ダチョウ牧場という不思議な場所もあります。実は今回97号をニセコへ向けて下る途中の道から脇道に入ってこのダチョウ牧場まで戻ってみたのですが、牛が放たれている横にダチョウが歩き回っている、というのは恐らく他にはないのではないでしょうか。その不思議な光景が、羊蹄山をバックに広がります。ここにはダチョウの卵で作ったどら焼きというのもあるようです。
さて下ってニセコ道の駅で左折すると、いよいよ国道5号線、一級国道です。車多し。今までが今までだけに一転不快この上なし。アップダウンを数回して俱知安に下ると市街地に入る直前に京極への分岐となりますのでこれを右折。後は道なりにまっすぐ進むと京極道の駅に戻ります。途中に蕎麦店などあり。
周回70km程度ですが、思ったよりアップダウンがあり、距離の割には走りごたえはあります。

CatEyeAtrasの地図はここ。ただし途中でスイッチを入れ忘れてログが途切れていますし、最後は電池切れで終わっているので、俱知安付近から先はログがありません。それに留寿都市内で迷ったログや有島ダチョウ牧場へのログも含まれてます。

ニセコ酒造の招き猫です

ニセコ酒造の招き猫です

おまけは俱知安にあるニセコ酒造の猫。美しいネコです。

丁未峠

丁未峠は、かつての炭鉱地帯だった夕張本町地区と万字炭山地区を直接結ぶ山道です。以前万字の老人に聞いた話では、炭坑全盛時代、夕張の祭りの夜には、万字から大勢の若い衆が山道を越えて遊びに行ったものだ、こと。歩いてみれば分かりますが、一夜の宴だけのためによくこの長い山道を越えたものだと驚きます。現在は通る車も少なく快適な峠道を楽しめるはずです。特に万字側は下りが長く取れるので、峠を越えた後に風を切って下って行く気持ちよさを長く味わえるのが素晴らしい。今回は茂世丑駐車公園を起点に周回してみました。

茂世丑駐車公園へは岩見沢インターから栗山、万字方面へと進み、すぐに左折して万字、三笠方面の道々38号に入ります。左にグリーンランドの観覧車を見ながら進むと、やがて幌向川をわたる道が右折しますからこちらに入ります。そのまま道なりでやがて左手に駐車公園が見えてきます。ちょっとした売店とトイレがあります。

日の出のレトロな喫茶店

日の出のレトロな喫茶店

ここに車を置いて出発。今進んできた道をさらに道なりに進むこととなります。道々30号です。この道は緩いアップダウンを繰り返しつつ丘陵地帯を進んで行きます。右手には栗山の田園地帯が拡がります。途中の鳩山会館のところで、道々30号は栗山市街へと右折しますが、これを曲がらず直進します。道々749号です。程なく神社のある交差点を過ぎるとすぐに右折して少し下り、坊主山の緩い登りが終わると、道は一気に下って継立のT字路に至ります。継立には若干の店があり飲み物程度なら補給可能で、また天馬食堂という食堂もあります。

夕張駅前食堂

夕張駅前食堂

これを左折して道々3号に入ります。少し行くと「みちみちトイレ」という変な名前のトイレがあるふたまた駐車公園に至りますから、休憩には最適です。トイレは程よくきれいですし休憩のベンチも十分にあります。ただ飲み物などはありません。これを過ぎると日の出地区の集落があり、廃校を利用した「レトロな」喫茶店などもあります。やがて夕張への登りに掛かって行きます。それなりの登りですから自転車に慣れない人にはかなりの達成感を味わえるでしょう。道は比較的新しく荒れていませんし、進行方向右側には立派な歩道もありますから、自信のない人はこれを走っても良いか。最後はトンネルとなって夕張鹿ノ谷地区に抜けます。かつてここにあったコンビニは廃業したようで、営業形態の分からない別の店?になっていました。T字路を左折して道々38号を夕張本町へと進みます。市街地を少し登りながら進むと、やがてとんがり屋根の夕張駅前の広場に到着。マウントレースイのスキー場が目の前で、ホテルもあります。ここには少し離れてコンビニあり、また数軒の食堂(「ビストロ」というのもあった!!)があります。

丁未峠 左は美流渡への林道入り口

丁未峠 左は美流渡への林道入り口

ここからいよいよ丁未峠の登りに掛かります。夕張への登りの途中から振ってきた雨が本降りとなりました。コンビニで出会った自転車の面々も、行くか帰るか思案顔。ここまで来たら行くしかない!気合いを入れて出発。程なく右手に煙突やいくつかの建物が見えてきます。かつて「石炭の歴史村」として三セクで営業した観光施設ですが、その後経営的に行き詰まり、いくつかの経営母体をかえ縮小しつつ細々と存続している施設です。メインの博物館はそれなりに立派なものですので何とか生かしてほしいものです。この日は営業していなかったのか人影はありませんでした。さらに上ると右手には元キャンプ場の公園が見え、お地蔵さんと炭坑慰霊碑が建ち、その上には「メロン城」というかつての焼酎の製造施設もあるのですが、いずれも休眠状態。草も刈られて居らず、恐らく熊出没の危険性から立ち入り禁止の黄色テープが張られて寂しい限り。道はドンドンと上って行きます。ひどい雨だ。やがて右に見えていた尾根を越えて左に尾根を見るようになると、丁未風致公園が見えてきます。文字通り「風致」された公園ではありますが、入り口は駐車場が広くそれなりに整備されてはいるのです。かつては売店もあったはずですでが今はどうなってるのでしょうか。この日はここも門は閉まってましたね。

ここまで来ると峠まではもうひと頑張りです。ゆるめの登りを詰めて行くと最高点に至り、下り始めます。岩見沢市との境界はここからもう少し先になります。どちらを峠と呼ぶべきか?町境から左には林道が延びていて、これをたどると面白い林道を楽しんで美流渡地区まで下ることが出来ますが、ロードバイクでは無理。本日は当然パスです。万字側の下りは程よい斜度ありカーブありで楽しめます。車も少ないですがそれだけに飛ばしてくる人もいるので十分気をつけて下ります。この日は雨がいよいよ強く、スリップに気を遣いました。出会う車はほとんどなく熊に出会わないかとちょっと心配なほど。奥万字に一軒だけある民家は、元万字温泉があった場所です。最後の覆道を越えると万字の市街地に至り、髪が伸びるという言い伝えのあるお菊人形の万年寺を過ぎると道はやや平らになります。それでも基本は下り基調です。

毛陽交流センター

毛陽交流センター

あたりはリンゴ畑になります。やがて左手に見える立派なログハウス風の建物は、毛陽交流センターです。リンゴの時期には賑わうのですが、この日はまだ時期ではないので閑散としたもの。雨を避けてしばしの休憩。トイレは立派ですし、飲み物の自販機もあります。

道なりに進んで、美流渡地区、朝日地区を越え、かつての栗沢温泉の白い看板を過ぎると、「宮村左折」の標識が出ますので左折します。このまま直進して道々30号と合流しても戻れますが、折角なので車の少ない丘陵地を抜けた方が気持ちよいです。宮村の集落を越えてすぐの左の道は無視。更に進んで小川を渡ると、道は少し上って台地状となりT字路になって左右に分かれます。これは左です。あとは道なりに進めば丘陵地帯を緩やかに上って行き、やがて左には「和徳石庵」というちょっとオシャレなカフェなども見えてきます。最後は下りになって、これまたオシャレな食堂「大地のテラス」の場所で道々30号にぶつかります。左折です。あとは来る時に車で通った道々30号を駐車公園へと戻ります。

アクセスも楽ですし、半日あれば十分に楽しめるコースです。

御料峠を越えて

道々94号御料峠は北竜町から山越えをして、増毛と留萌の中間点の信砂に至る峠です。これを使って北竜町から留萌に抜け、そこから恵比島峠を使って北竜町碧水に戻る周回ルーとを走って見ました。距離も100km未満で、一日で走りきるのは楽々、と思っての出発です。

当日は朝早く札幌を出て、道央道から深川ジャンクションで別れて、秩父別で下りました。碧水の交差点を左にとると、道の駅「サンフラワー北竜」はすぐです。巨大でハデハデの龍の門がお出迎え。7時前というのに太陽がじりじりと肌を焼きます。これは暑い日になりそう。嫌な予感がします。ロードバイクの準備をして大型のサドルバッグを装備。背中にはなるべく荷物を背負わないことにします。

御料峠、なにもない

御料峠、なにもない

出発して少々上り、向かい風。国道275号を数キロで右折。いよいよ道々94号です。交通量は限りなくゼロに近い。道は良いです。ただ、ヒドク熱い!!本州の方には笑われるかも知れませんが、北海道人としてはこの暑さは耐えられません。日陰になるような場所がないのも辛い。田園地帯が続くため木が少ないのです。石油沢の手前のちょっとした切り通しの横にわずかな日陰を見つけてしばし休息です。道自体はわずかな上りですが全く苦になりません。むしろ風が問題でしょう。この辺は何故か思ったより風が強いようです。追い風なら良いのですが、その逆は、当然・・・

本格的に上りを感じるのは恵岱別ダムの上りからです。ダム湖に登り切ると短いトンネルを越え、左に人造湖が見えてきます。それほど美しい物でもないです。そして最後の峠の登りとなります。峠の登りとしては大したことはないです。登り切っても何もありません。留萌市との町境の看板が出て、御料峠はその少し先にあります。峠部分にちょっとした駐車スペースがあるのみで施設らしきものなし。

下りは信砂川にそって一直線です。通行量は少なく、ちょっと熊が心配になるほどです。ただ割と直線道なので見通しは良い。熊からもこちらが見えるでしょうから、突然の出会い頭と言うことはないかな。遠くに海の気配が感じられるようになると、農家の集落が見えてきて、やがて信砂の交差点です。ここまで自販機、商店、ともに一切無し。この角には商店が一件あって自販機があります。建物の陰に避難して冷たいものにありいていると、地元の人と思しきおじさん登場。自転車をみて、何処まで行くか、と聞いてくるので、留萌から深川方面に抜ける、と話すと、「その方がいいわ。北に行くと結構上り下りあるから」とのお話し。確かに苫前辺りの海岸線はアップダウンがあるのは知ってます。更に、付近で自転車がひき逃げされる事件があったので気をつけるように、と忠告されたりしました。

黄金岬「波濤の門」

黄金岬

さて水も補給したので海岸線を留萌に向かいます。良い天気の日で、日本海は美しいブルーの鏡のよう。海風が心地よい日でした。ビーチを横目に海岸通りを走ります。2年振りの黄金岬で記念撮影。そのまま進んで、港の横から丘を登り町に入りました。ここで食事、と決めていたのですが、飲食店が開くまで少し間があり時間つぶしが必要となりました。しかしちょっと海を離れると照りつける太陽が途端に体温を上げて行きます。とても外にいる気がしないのです。駅の待合室に逃げ込んでぶらぶらとしていると、増毛まで走ってきた、というお兄さんに声を掛けられました。何でも隣町の小平から、逆側の隣町である増毛までランニングしたとの事。しかし余りの暑さで走って帰るのは諦めてバスでここまで戻ってきたところである、というのです。「涼しくなってから帰った方が良いですよ」との忠告を残して、ボクは急ぐので、とご自身は再びカンカン照りの中へ掛けだして行きました。

さて11時になったので目的の飲食店は開店です。この日は高麗館という朝鮮料理の大きな店に行ってみました。開店直後というのにかなりの賑わいです。レバニラ炒め定食を頼みましたが、中々のボリュームで満足しました。店内はクーラーが効いて心地よかったのですが、店を出た途端に猛烈な暑さの攻撃です。この炎天下の下の峠越えか。ちょっと憂うつ。

峠下駅 中は涼しいです

峠下駅

留萌の町を出ると、店舗も自販機もほぼありません。ボトルの水だけが頼りです。しかしそれも日にさらされ、中身はぬるま湯から風呂くらいの温度になっています。道は少しずつの登り。おまけに先ほどまでは気づかなかったのですが、この日の風は深川側から留萌側に吹いている、つまりもろに向かい風です。自転車が進まない。苦しい時間が過ぎて行きます。幌糠のパーキングが見えてきました。たしかこのルートは一カ所だけ自販機があるはず。ここにはトイレのある建物がありますが、自販機はナシ。しかしパーキングを過ぎてすぐの理髪店の前に、、、ありました!自販機が!おまけに店舗の裏には休憩用のベンチが置かれている。これは有り難いです。早速冷たい水にありついて日陰で体を冷やしました。ボトルの水はお湯になっており、体に掛けて気化熱で体を冷やす作戦をとります。それもすぐに乾いてしまう。この日の暑さは異常です。

明日萌駅(恵比島駅)

明日萌駅(恵比島駅)

萌の人形 怖い!

萌の人形 怖い!

次のお休みポイントは峠下の駅舎。設備は何もありませんが、日陰に入れるだけでも有り難い。先ほどの水の残りを飲んでしばし休憩です。恵比島峠は高さが100m程度しかないので、「峠」と呼ぶのはちょっとはばかられるものです。あっさりと登って下りもあっさり。折角来たので、朝の連ドラ「すずらん」の舞台になった恵比島駅を覗きましたが、駅舎には鍵がかかり中には入れませんでした。中には駅のセットが保存されているのですが、ちょっと不気味なのは、恐らく主人公「萌」の人形。窓からのぞき込むと目が合ってしまいました。ぎょっとします。

ここまでくれば出発点までは10kmを切っていて、通常なら着いたも同然、なのですが、この日はちょっと違いました。先ほどからの向かい風が益々強い。更に最も熱い時間帯に突入。しかも日陰無しの畑作地帯。電信柱の陰に身を潜めて涼をとったのは初めてです。農業用水に手を突っ込んでもぬるい。2km走るのがきつい、と感じるような状況です。恐らく電解質のバランスが狂い始めています。こういうときは塩分を補給しなくては危ないです。あるところから急に補正不能に陥り、動けなくなる恐れがあります。塩飴を時々なめるとその度にちょっと元気が戻ってくるのが分かります。高速道路の下で一服。地図を眺める。あと4kmで碧水のセイコーマートです。ここでアイスコーヒーにしよう。それだけを励みに進みます。やっとの思いでセイコーマート着。アイスコーヒーは?何とこの店ではコーヒーメーカーがなく、ボトル入り飲料しかありませんでした。あの氷入りのヤツが飲みたかった。まあそれでも飲み物にありつき、これで命の危険はなくなりました。

出発点までは2kmちょっと。道の駅のクーラーの効いた休憩ベンチで暫く体を冷まし、トイレで顔を洗うと塩分が目にしみました。背負っていたリュックのベルトが塩で白くなっていて、一体どれだけ汗をかいたのかと驚きました。

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