丁未峠

丁未峠は、かつての炭鉱地帯だった夕張本町地区と万字炭山地区を直接結ぶ山道です。以前万字の老人に聞いた話では、炭坑全盛時代、夕張の祭りの夜には、万字から大勢の若い衆が山道を越えて遊びに行ったものだ、こと。歩いてみれば分かりますが、一夜の宴だけのためによくこの長い山道を越えたものだと驚きます。現在は通る車も少なく快適な峠道を楽しめるはずです。特に万字側は下りが長く取れるので、峠を越えた後に風を切って下って行く気持ちよさを長く味わえるのが素晴らしい。今回は茂世丑駐車公園を起点に周回してみました。

茂世丑駐車公園へは岩見沢インターから栗山、万字方面へと進み、すぐに左折して万字、三笠方面の道々38号に入ります。左にグリーンランドの観覧車を見ながら進むと、やがて幌向川をわたる道が右折しますからこちらに入ります。そのまま道なりでやがて左手に駐車公園が見えてきます。ちょっとした売店とトイレがあります。

日の出のレトロな喫茶店

日の出のレトロな喫茶店

ここに車を置いて出発。今進んできた道をさらに道なりに進むこととなります。道々30号です。この道は緩いアップダウンを繰り返しつつ丘陵地帯を進んで行きます。右手には栗山の田園地帯が拡がります。途中の鳩山会館のところで、道々30号は栗山市街へと右折しますが、これを曲がらず直進します。道々749号です。程なく神社のある交差点を過ぎるとすぐに右折して少し下り、坊主山の緩い登りが終わると、道は一気に下って継立のT字路に至ります。継立には若干の店があり飲み物程度なら補給可能で、また天馬食堂という食堂もあります。

夕張駅前食堂

夕張駅前食堂

これを左折して道々3号に入ります。少し行くと「みちみちトイレ」という変な名前のトイレがあるふたまた駐車公園に至りますから、休憩には最適です。トイレは程よくきれいですし休憩のベンチも十分にあります。ただ飲み物などはありません。これを過ぎると日の出地区の集落があり、廃校を利用した「レトロな」喫茶店などもあります。やがて夕張への登りに掛かって行きます。それなりの登りですから自転車に慣れない人にはかなりの達成感を味わえるでしょう。道は比較的新しく荒れていませんし、進行方向右側には立派な歩道もありますから、自信のない人はこれを走っても良いか。最後はトンネルとなって夕張鹿ノ谷地区に抜けます。かつてここにあったコンビニは廃業したようで、営業形態の分からない別の店?になっていました。T字路を左折して道々38号を夕張本町へと進みます。市街地を少し登りながら進むと、やがてとんがり屋根の夕張駅前の広場に到着。マウントレースイのスキー場が目の前で、ホテルもあります。ここには少し離れてコンビニあり、また数軒の食堂(「ビストロ」というのもあった!!)があります。

丁未峠 左は美流渡への林道入り口

丁未峠 左は美流渡への林道入り口

ここからいよいよ丁未峠の登りに掛かります。夕張への登りの途中から振ってきた雨が本降りとなりました。コンビニで出会った自転車の面々も、行くか帰るか思案顔。ここまで来たら行くしかない!気合いを入れて出発。程なく右手に煙突やいくつかの建物が見えてきます。かつて「石炭の歴史村」として三セクで営業した観光施設ですが、その後経営的に行き詰まり、いくつかの経営母体をかえ縮小しつつ細々と存続している施設です。メインの博物館はそれなりに立派なものですので何とか生かしてほしいものです。この日は営業していなかったのか人影はありませんでした。さらに上ると右手には元キャンプ場の公園が見え、お地蔵さんと炭坑慰霊碑が建ち、その上には「メロン城」というかつての焼酎の製造施設もあるのですが、いずれも休眠状態。草も刈られて居らず、恐らく熊出没の危険性から立ち入り禁止の黄色テープが張られて寂しい限り。道はドンドンと上って行きます。ひどい雨だ。やがて右に見えていた尾根を越えて左に尾根を見るようになると、丁未風致公園が見えてきます。文字通り「風致」された公園ではありますが、入り口は駐車場が広くそれなりに整備されてはいるのです。かつては売店もあったはずですでが今はどうなってるのでしょうか。この日はここも門は閉まってましたね。

ここまで来ると峠まではもうひと頑張りです。ゆるめの登りを詰めて行くと最高点に至り、下り始めます。岩見沢市との境界はここからもう少し先になります。どちらを峠と呼ぶべきか?町境から左には林道が延びていて、これをたどると面白い林道を楽しんで美流渡地区まで下ることが出来ますが、ロードバイクでは無理。本日は当然パスです。万字側の下りは程よい斜度ありカーブありで楽しめます。車も少ないですがそれだけに飛ばしてくる人もいるので十分気をつけて下ります。この日は雨がいよいよ強く、スリップに気を遣いました。出会う車はほとんどなく熊に出会わないかとちょっと心配なほど。奥万字に一軒だけある民家は、元万字温泉があった場所です。最後の覆道を越えると万字の市街地に至り、髪が伸びるという言い伝えのあるお菊人形の万年寺を過ぎると道はやや平らになります。それでも基本は下り基調です。

毛陽交流センター

毛陽交流センター

あたりはリンゴ畑になります。やがて左手に見える立派なログハウス風の建物は、毛陽交流センターです。リンゴの時期には賑わうのですが、この日はまだ時期ではないので閑散としたもの。雨を避けてしばしの休憩。トイレは立派ですし、飲み物の自販機もあります。

道なりに進んで、美流渡地区、朝日地区を越え、かつての栗沢温泉の白い看板を過ぎると、「宮村左折」の標識が出ますので左折します。このまま直進して道々30号と合流しても戻れますが、折角なので車の少ない丘陵地を抜けた方が気持ちよいです。宮村の集落を越えてすぐの左の道は無視。更に進んで小川を渡ると、道は少し上って台地状となりT字路になって左右に分かれます。これは左です。あとは道なりに進めば丘陵地帯を緩やかに上って行き、やがて左には「和徳石庵」というちょっとオシャレなカフェなども見えてきます。最後は下りになって、これまたオシャレな食堂「大地のテラス」の場所で道々30号にぶつかります。左折です。あとは来る時に車で通った道々30号を駐車公園へと戻ります。

アクセスも楽ですし、半日あれば十分に楽しめるコースです。