BROMPTONで支笏湖へ

札幌から山越えで支笏湖へ向かうコースは、「シコる」という言葉があるほどで、この町の自転車乗りには極めてポピュラーなコースです。そのため今まで取り上げませんでしたが、今回高級ママチャリともいえるBROMPTONで走って見ました。理由は最後にサッポロビール庭園でビールを飲んで帰ってこようという計画だからです。このかなり重たい、内装3速の内部抵抗の高い自転車で山道を走ったらどういうことになるのかという興味が第一ですが、思い立ったらすぐに出かけられますし、なんと言っても最後に汽車に積むときの気楽さは、他の自転車にはない魅力です。最大の不安要素はパンクです。一応パンクの修理の用意はしてありますが、こいつのタイヤの取り扱いは少々やっかいで、特に後輪がイった場合は外装変速機とチェーンテンショナーを兼ねる独特の構造の装置を外さねばならず扱いがかなりやっかいです。幸いブロンプトンのタイヤは結構パンクに強い感じではあります。まあ最悪の場合は引き返すなりバスに乗ってしまうなり、逃げ道はあるでしょう。そういった気安さもある意味この自転車の強みです。使用したのは6段変速通常フレーム(チタンではない)のP型ハンドルです。

真駒内にある竜神塚のお祭り

竜神塚祭り

当日は二週続きの早起きがいやだったので普通に起き、コーヒーをゆっくり飲んで9時過ぎの出発。ミュンヘン大橋を渡り、自衛隊を左に見て進み、真駒内から国道453をたどることにします。真駒内の中央公園にはエドゥインダンの記念館があります。真駒内は元々水場が多いところだったようで、そのため龍神塚があり、この日はたまたまお祭りをやっておりました。交通量の多い右折する国道としばし分かれてそのまま直進し、石山西岡線を使って石山の交差点に出るのが好きです。国道は車も多いし、道をまたぐので一度かなり上るのが面倒です。

ここからはゆっくりとした上り道となります。石山地区の市街地を抜け、やがて住所が常盤になると芸術の森が右手に見えてきます。この辺までが住宅のあるところで、ここから先は店も自販機もありません。コンビニは芸術の森近辺に数件あります。上り道方向に進むと、左にセイコーマート、右にサンクス、芸術の森入り口を過ぎて左にセイコーマートで最終となります。(H28.8再確認)滝野への分岐を左に見て川を渡るといよいよ上りが始まります。空沼岳の入り口に近いところ左に大きな駐車帯とトイレがありますからここで一息つけます。

この日は天気もよくさわやかな秋晴れでしたので何組もの自転車の人たちに出会いました。ロードの人たちはどんどん先を行きます。中年の女性のグループはゆっくりと休んでいるようです。アベックもいます。それぞれ自分のペースで楽しんでいるようです。

実はこのルートには自転車道が併走しています。ただかなり古い道で痛みがそれなりです。おまけに自動車道と併走する自転車道の常でかなりの小砂利混じりのほこりがたまっているところがありますし、また支笏湖に近づくと、昨年の大水の影響で使用禁止になっているところが随所に見られました。従って多くの自転車が利用していないようでした。(H28.8再確認時点でラルマナイ川から先の自転車道は未だに通行止めでした)

野牛山への林道入り口

野牛山への林道入り口

さて道に戻ると一度川を渡った後、本格的な上りが始まります。ロードが一台抜いてゆきます。元々の力の差もあるのでしょうが、やはり自転車が重いです。上りはゴルフ場の所で一旦下りアシリベツ川源頭部をかすめて再び上って、ようやく恵庭との町境に出て終わります。左には電波塔に続く林道が延びていて、これをたどると野牛山を経て滝野へ下りることも可能です。かなりの砂利道ですが。

さて一気に下って漁川(いざりがわ)支流の一つ、ラルマナイ川です。ここから左折して川沿いを恵庭に下ることも可能です。これを渡ると、

オコタンペ湖への分岐

現在通行止め

再び本格的な上りとなります。漁川源頭部を巻いて支笏湖カルデラの外輪山を越えるための上りです。路面はやや傷んだアスファルトで交通量は北海道の山道としては普段でもやや多めと言ったところでしょう。山道を楽しむバイク集団も多いです。道は一旦やや平らになった後、最後の上りに掛かります。ここが一番斜度があるようでした。それにしても随分と重い。頭がぼーっとして足が止まってしまいました。こんなに急だったか。自転車をガードレールに立てかけてしばし休息です。予想はしていましたがBROMPTONの山登りはちょっと骨が折れます。再び気を

支笏湖付近の水害の跡

支笏湖付近の水害の跡

取り直し沢形を巻くと覆道を越えて尾根を回ってようやく目前に恵庭岳が見えてきます。「ようこそ支笏湖へ」の看板も出て漁川最源頭部に至ります。奥漁橋を過ぎれば外輪山の上りはもうすぐ終わりとなります。最高点はオコタンペ湖への分岐ですが、ここも昨年の大水のため通行止めになっておりました。(H28.8時点でまだ通行止め)

支笏湖への下りに備えてウインドブレーカーを着込んだ方が良いでしょう。下りの道々、沢が氾濫して巨大な石が露出し木がなぎ倒されているのを何度も見ました。水の勢いのすさまじさに圧倒されます。下りきったところがポロピナイで、トイレがあり、夏場は 水遊びをしている人が大勢いて 、売店、食堂も営業しております。ただし無料の飲み水はなし。売店で水を買うしかありません。

支笏湖と風不死岳

支笏湖と風不死岳

ここからは湖岸を進みます。路肩は十分広いとは言えませんが、まあまあ走りやすい方でしょう。右に風不死岳、やがて樽前山が支笏湖に浮かんで見え、気分の良い道です。支笏湖温泉で一休み。名物はヒメマス(チップといいます)ですが、値段はちょっとした定食で2000円位します。私はいつもの様にラーメンです。中々うまかった。

温泉街を後に千歳川沿いの自転車道をたどることにします。初めは国道276沿いを進みますが、苫小牧への分岐の信号の所から自転車道が始まります。苫小牧側にも自転車道が延びており、これをたどると苫小牧ま

千歳川自転車道入り口

熊に注意の看板が!

で行くことも可能です。今回は千歳側へ。「熊に注意」の看板有り。確かに熊が出てもおかしくないところですが、自転車道で熊が出たらどうしたらよいというのか。せいぜいときどき声を出しながら走るくらいしか出来ません。道は基本的に下り基調。ロードなら30km/hr以上は簡単に出るはずなのですが、やはりBROMPTONは内装ギアの抵抗が大きく、速度を上げると段々と苦しくなりました。フリーを効かせて惰性で下ろうとすると内装ギアがジーッとうなりを上げて段々と勢いが落ちていきます。これはどうやら高速側のギアで強く感じられる特徴のようです。体感的には高速側ほどパワーロスしているような印象を持ちました。姿勢も通常のハンドル位置ではかなりアップライトになるので風の抵抗も大きいです。そこでPハンドルの下を持ってみると確かに少し早くなります。でも調子に乗ってこれを続けるとブレーキから手が離れておりますのでとっさの時に止まれなくなります。人は少ないですが、ときどき千歳側から上がってくる人に出会いますので、熊が不安、というほどではないです。途中にトイレのある休憩所が二カ所あります。下流域には「サケの里ふるさと広場」という、孵化場附属の施設があり、千歳川の美しい流れを見ながら最後の下りになって国道と再合流します。

名水のでる蛇口

名水のでる蛇口

合流してすぐに右手に「名水ふれあい公園」が見えます。ここではナイベツ湧水を飲むことが出来る水飲み場があります。(とは言っても厳密には湧水を水道水化した水ですのでわずかに塩素が入っているそうですが)一見普通の公園の水飲み場と変わりのない水道の蛇口なのですが、汲んで飲んでみると他の水道水とは違いが分かるはずです。

最後は千歳市街を抜けて長都(おさつ)のサッポロビール庭園に寄りました。ここはサッポロビールの工場直営で、料理はジンギスカンを中心

サッポロビール庭園

ジンギスカンとビール

にビールのつまみのようなものがいくらかあります。私の目当てはエーデルピルスという飲食店にしか卸していない製品です。札幌の街でもいくつかの店でしか置いていない物です。強いホップの香りがして、冷やしすぎると苦みが勝ちすぎますが、ベストの状態で飲むとさわやかな味わいが独特です。ここはJRの駅がすぐですので列車の時刻に合わせて飲むことが可能です。時刻表のコピーももらえますよ。

エーデルピルスビール

うまいです!

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