オロフレ峠からホロホロ峠

橘湖入り口 後ろはカルルス温泉

橘湖入り口 後ろはカルルス温泉

オロフレ峠は北海道有数の峻険な峠として有名です。かつては落石が頻発する悪路を越えることはちょっとした冒険であったようです。道路が付け替えられて往時の様な事はなくなりましたが、海抜ゼロから900mを一気に上って行く厳しさは、今回乗ってみて改めて感じました。

当日は早朝に家を出て白老へ向かい、白老インターを出て国道36号に出ました。国道沿いに右折して車を止められる場所を探します。海岸沿いはどこでも止められそうに思いますが、意外と私有地が多くて悩みます。この日はフウベツ川の土手の上に車を乗り入れて自転車を組みました。

カルルス温泉側からオロフレ峠を望む

カルルス温泉側からオロフレ峠を望む

国道沿いに登別まで10km程を流します。車の量はまあまあといったところ。道は細めですが路面の荒れはそれほどでもないです。虎杖浜過ぎで少し上りますが、ほぼフラットな道で登別へ。市街中心で右折して登別温泉への上りに掛かります。朝と言うこともあって車は少ない。静かな立派な道です。補給はこの辺りで終わりになりますからコンビニに用のある人はここまでで済ますべき。道はドンドンと上って行き、右に大きな鬼の像が見えて登別に来たことを実感します。暫く上ると「カルルス温泉」の表示が出ますからここを左折です。すぐに登別川の支流を遥か眼下に望む橋を渡って最初の上りが始まりますが、傾斜はまだたいしたことはありません。左に中華風の庭園の廃墟が見えてきます。天華園です。往時は相当に立派な施設だったと想像できますが、瓦がはげてそこに草が生えています。かなりの間放置された風情です。

オロフレ峠の旧道

オロフレ峠の旧道

上りは「新登別」という小さな温泉集落まで続き、一旦一気に下ってカルルス温泉へと向かって行きます。登別川を大きく高巻くような道と言うことになります。再び登別川近くまで下りきったところがカルルス温泉です。この直前には橘湖への入り口もあります。ここは日本で唯一の私人所有の湖です。カルルス温泉は、数件の宿のある山の温泉場で、昼であったせいもあるのでしょうが歩く人もなく、ひっそりと静まりかえっておりました。駐車公園があってトイレも完備。自転車用のラックももうけられておりました。休憩にはもってこいの場所です。これを過ぎるとまともなお休み場はありません。

オロフレ峠道路史碑

展望公園にあるオロフレ峠道路史碑

ここからがオロフレ峠の真骨頂となります。傾斜は次第にきつくなり、ここまでの疲れも手伝って速度は全く上がりません。谷間から尾根筋に上って行くと次第にオロフレの岩肌の荒々しさが姿を現します。交通量はそれほど多くはなく、逆にこれ以上少ないと熊でも出るのではないかと気味悪くなるほどなのでちょうど良いです。観光用の車がほとんどのようなので恐らく平日なら寂しい道ではないでしょうか。途中で休んでいたときに少し離れた道路脇でガサガサと大きな音がしました。鹿か、あるいは熊でしょうか。そんな道です。

覆道がいくつか現れるとオロフレトンネルが近づいてきた証拠です。トンネルの手前は峠を望む最後の場所になります。オロフレトンネルは覆道からつながっており、やや下り基調の1kmほどのトンネルです。しかし上りはこれで終わりではありません。トンネルの向こうの展望駐車場を過ぎた後もだらだらとした上りが峠の展望台分岐まで続きます。ここの標高がおよそ900mです。

優徳のカフェAivalley

カフェ Aivalley

そしてようやくこれを過ぎると久保内に向かって一気の下りが始まります。快適な下りです。黙っていても40km/hrは出ます。休日はそれなりに車がいますから調子に乗らない方が良いです。下りきった辺りには良い感じのカフェなどあってちょっとした観光地気分ですが程なく普通の畑作地帯に入ります。長流川左岸には道がありますが損壊していて現在は通行止め。従って少し壮瞥町側に戻って長流川を渡る必要があります。この場所でのGPS高度は150m程。一気に750mあまりを下ったことになります。国道453号を大滝の方向へと進みます。上り基調の道であり速度は余り上がりませんでした。おまけに向かい風。途中に蟠渓、北湯沢と温泉が続きますが、いずれも満足な店はありません。蟠渓にトイレと東屋のある小公園があり、休憩にはちょうど良いです。また北湯沢から大滝にかけては食堂が数件あります。また北湯沢を過ぎて優徳地区にはおしゃれなカフェがありましたので寄ってみました。赤い蜂蜜が売っており、ボトルも中々おしゃれです。

白老川上流の支流の滝

白老川上流

大滝村を過ぎれば三階滝への分岐はすぐです。橋の上から眺める三階滝川の清流にしばし心を落ち着かせ、これまでの上りの疲れを癒やしてもうひとがんばりです。三階滝公園まではだらだらとした上り基調で、ここから最後の峠越えに掛かることになります。ホロホロ峠といいます。標高は600m程なので、こちら側からの上りは300m程度です。それでも既にかなり疲れており、最後の上りは応えました。登り切るとおきまりのトンネルとなり通り抜けたところには四季彩駐車場という広場があります。この先は白老側の一気の下りが待っております。途中白老川上流の支流をいくつか横切りますが、中には見事な滝となっているところもあり、しばし自転車を停めて見入るのも良いでしょう。また一部の道は急斜面に桟道となって掛かっており、ガードレールも低めなので高度感が抜群です。間違ってガードレールを跳び越えるような事は絶対にしないで下さい。最後の白老川の橋を渡ると道は森野の辺りから牧場に囲まれるようになり、やがて左右の山が海に落ちる所が遠く望めるようになると白老が近いことを感じます。最後は今朝降りてきた高速道路の入り口をかすめて出発地点に戻ります。

総距離は約100kmちょっとですが、総登坂高は1500m位になります。

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