西洞爺、大和ループ橋を巡る旅

伏見橋崩落による通行止め

伏見橋崩落による通行止め

ループ橋は高速道路など交通量の多い太い道路のものは都会でよく見るわけですが、山間の集落の農道などで急峻な尾根の上に道を通すときなどにも時々使われているのを見かけます。地図で見ると道が輪になっていて思わず行ってみたくなります。洞爺湖の西、豊浦町大和地区にはこのような見事なループ橋があります。これをコースに組み込んで走ってみることにしました。

洞爺湖からの出発と言うことにして、まずはどこに車を止めるか考えます。洞爺湖の外輪山の上に停めれば、あの湖水から外輪山へのの大変な上りは回避できるでしょう。洞爺湖の湖岸近くに停めれば、最後に洞爺湖の青に飛び込んで行くような下りが楽しめ、その後は美しい眺めに癒やされるでしょう。どちらが良いかは難しいところです。洞爺湖外輪山上には洞爺道の駅がありますので、ここを利用するのが無難でしょう。湖岸であれば水の駅やその周辺の公園、キャンプ場付近の駐車場が良いでしょう。今回は水の駅からの出発にしました。

豊浦大和地区ループ橋

目指すループ橋です

まずは水の駅で自転車を組みます。今回はコース上に一部砂利道がある事が分かっていましたから、重たいことを覚悟でMTBを持ってきました。後ろには荷台とバッグが付いて念のための修理具、水と食料で、まあロードバイクの倍近い重量になりました。

まずは水の駅から少しだけ洞爺湖温泉側に南下して道々285号を右折し、つづれ織りの道を上って国道230号に出ます。途中は別荘と思われる建物があって優雅な雰囲気。車は朝と言うこともあってほぼなし。高度が上がると左には洞爺湖が美しい姿を現します。一気に150m位上ります。登り切ると国道を左折です。少し走ると「成香」というバス停が見えてきますから、ここの農道に右折します。周囲は農地や牧場が拡がり美しい道。車はほぼいません。暫くすると道々285号と交差。これを左に折れると豊浦に向かいますが、今回は直進してみました。地図上ではこれから「胆振西部広域農道」に入り、その続きに目指すループ橋があるからです。所がこの日は思わぬ障害が待っていました。実は成香から時々目に付いていたのですが、「橋が崩落してニセコ方面には行けない」という看板があったのです。ただどこの橋が落ちているのかは書かれておらず、どこが通れないのかも分からず、でしたので、とりあえず進んでみたのでした。道が伏見地区を過ぎた辺りから更に詳しい看板が出現。どうやら今進んでいる道が通行止めらしい。ここまで来たら崩落した橋を見てやろうと意地になって道を詰めました。しかし最後は崩落箇所のかなり前で通行止めとなり、ゲートをくぐるのは流石にためらわれましたからここで写真を撮って引き返しました。後で調べたところ崩れたのは伏見橋という橋で、崩落が平成26年11月の事らしく、橋脚のある地盤が侵食されたための崩落らしいので開通はいつになることやら分からないようです。

熊の糞

砂利道の前から熊の糞がお出迎え

さて引き返して大きく迂回することを決意して、まずは花和地区へ出て道々285号を豊浦方面へと下り、桜地区で道々97号へと右折して北上しました。道は大和地区手前で貫気別川に最も近づく場所が最低点で、この先はじりじりと上りになります。大和地区のわずかな集落(満足な店などはありません)を過ぎて暫く行くと、漸く目指す「胆振西部広域農道」の続きと交差します。左折してすぐに目的のループ橋が見えてきます。両岸が迫ってくるような谷筋の遥か上空に弧を描くように橋が架かっている様は中々に美しいです。おまけに車がほぼゼロというのも嬉しいところ。ゆっくりと谷の左岸を上り、右岸に弧を描くような道をじりじり詰めるといよいよループ橋の上に出ます。橋からは眼下に細い谷筋が望め、絶景とは言えないまでも爽快な風を感じることが出来ます。

道々の砂利道部分

入り口はフラットな砂利

この先は山梨地区まで上り基調の道が続き、高原の平野状となると山梨地区です。ここから道々914号を真狩方面に進むことにします。先ほどの道々97号の上流に戻る道です。初めは素晴らしい道ですがやがて普通の細めの道々となります。それでも車の通行量は圧倒的に少なく快適な道です。オロウェンヌキベツ川が近づく辺りで砂利道となります。初めはフラットなダートで後半は少し折れ曲がる上り道になって、最後は畑の中にぽんと飛び出る感じで終わります。おきまりの熊の糞があるなどやや野性味あふれる道々でした。神里地区で道々97号に合流すると左折してちょっとで今度は右折です。道々230号「三ノ原ニセコ線」です。平坦な台地状の上を淡々と駆け抜ける感じの道です。交通量少なし。極めて快適。三ノ原小学校の所で右折して道々777号に入ります。右折しないで国道に出る方法もありますが、こちらは交通量が一気に増えますし、貫気別川で大きく下ってまた上ることを強いられますので快適さという点ではどうでしょうか。ただ道々777号から貫気別川を渡って洞爺湖側に戻る地点は余り多くはありません。この点も注意しておくべきです。貫気別という川は思いの外深い谷を作っているのです。車が少ないせいか「熊出没注意」の看板が目立ちます。中にはつい前日に目撃情報有りの看板も。結構良い道なのにこれですから驚きです。

熊出没注意

げっ!一昨日の出没ですか

道が貫気別川を渡る手前の分岐を左折しました。入り口はしっかりした舗装道路です。しかし貫気別を亘る頃から砂利道となり、さらに激しい上りが始まりました。貫気別の浸食した谷から洞爺湖外輪山への上りです。これは堪えます。距離はたいしたことありませんが、砂利道で後輪がスリップするくらいのかなりの傾斜があります。熊の恐怖もあり早く通過してしまおうと気が焦りました。ただ道自体はかなり古くしっかりしたものの様で、それなりに利用されているのか、道に草が茂るようなこともなく、走る上では道が途切れるのではないかと不安にはなりませんでした。最後は香川地区の畑の真ん中にポンと飛び出すように登り切って終わりとなります。ほっと一息です。

最後の急登

ジグザグの急登です

ここからは国道まで一走り。洞爺湖道の駅で一休みして、最後は武四郎坂を一気に下って洞爺湖に飛び込むようにゴールを目指すこととなります。

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